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ボートでビーチングする方法と注意点

花火大会・海水浴・クルージング

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ビーチングはプレジャーボート遊びの中でも比較的難易度が高く、どこでも出来るものではないので、実際に経験した事のある人はかなり限られるのではないかと思います。しかし、ビーチングをマスターすれば、無人島への上陸や潮干狩りなど遊びの幅が一気に広がるのでぜひマスターしたい技術です。

船酔いしやすい人やボートに慣れていない人を乗せる時にも、食事の時間に上陸すれば安心ですし、小さな子供を連れている時も長時間ボートに乗せっぱなしでは不安な時にもビーチングは有効です。

この記事の目次

ビーチングに挑戦してみよう

何より、「ボートで上陸する」という体験は、非日常的でとてもワクワクします。ひとけの無いビーチでのんびり過ごせるのはプレジャーボート乗りの特権の1つで、綺麗な海ならシュノーケリングなどもできますし、バーベキューや釣りなどできれば、仲間や家族もとても喜んでくれる遊びですのでぜひ練習してみて下さい。

イメージでは難しく感じるビーチングですが、条件さえ合えば可能ですから、ぜひこのシーズンは挑戦してみて下さい。

ビーチングの準備

ビーチングには必要な条件が幾つかあります。安全に遊ぶため、事前に以下の項目を確認してから行いましょう。

1:適しているボート

水深や水打ち際のカケアガリ具合にもよりますが、喫水が浅くドライブをチルト出来る事が条件となりますので、20フィート中盤ぐらいまでの船外機か船内外機のボートが対象です。

2:ロケーションの確認

ビーチングは軽くとはいえ、陸に乗り上げる行為なので船底を傷付けないよう、上陸地点の波打ち際が「砂」または「砂泥」である事が必須となります。ボートが傷つくだけでなく乗り降りの時に危険ですので、小石や岩の浜には絶対に乗り上げてはいけません。

また、基本として「ビーチへ直角に」進入し、アンカーはその直線上に前後2ヶ所を打ちますので、ビーチとボートの延長線上に暗礁や浅瀬がない事、前後にボートを移動させる十分な距離を取れる場所を選びます。

地形としては、遠浅で水深の浅い場所は向きませんので、一般的なカケアゲリになっている浜を選んで下さい。遠浅の海では干潮時に脱出が難しくなったり、ドライブが底に当たってしまう可能性やアンカーの利きが悪いなどの不安がありますので、初心者は避けた方が良いでしょう。

3:アンカーとロープの確認

アンカーとロープは2組必要で、水深に応じた距離を打つ必要があるので事前にアンカーとロープの長さを確認しておきましょう。後ほど説明しますが、ビーチングは「潮位」の確認がとても大事で、ビーチング中にもボートの位置を移動させるためにロープの長さを調整する必要があるため、ロープには十分な余裕を持った長さが必要です。

4:ボートへ乗り降りする艤装や道具

1度ボートから下りて上陸するとボートによっては再度乗船するのが難しい物もあります。脚立・ハシゴなど、ボートに乗るために道具や艤装を確認しましょう。特に、ロープの調整を忘れて満ち潮でボートが海側に離れてしまった際などでも確実にボートに乗れるような確認が必要です。

5:上陸後の準備

ビーチングは基本的に夏場に行う事になりますが、日陰の確保が必要ですので、タープやテントなどを持って行く必要があるでしょう。私は2mの木の棒を2本と、大きめのブルーシート、細いロープを使って簡易テントを作る事が多いです。

6:慣れたクルーとの連携

ビーチングでは操船中に注意すべき点が多い上にアンカーを2つ使用する事から、自分は操船し、アンカーの処理を行ってくれる人が1人いた方が良いです。その際、ボートやロープに慣れていない人だと、ロープをドライブに絡めてしまったりする危険性がありますので、ある程度慣れた人が必要でしょう。状況を適切に判断できてコミュニケーションの取れる人を最低でも1人乗せなくてはいけません。

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ビーチングの手順(着岸)

ビーチングは、言ってみれば「ボートを意図的に座礁させる」という方法です。よって、まずは場所選びを身長に行わなければなりませんし、正しい手順と方法を覚えなければ危険も伴いますので気を付けましょう。

  1. 上陸地点へ直角に、微速前進で進入する
  2. 船尾からアンカーを投入する
  3. アンカーが効いたのを確認
  4. 水深が下がりきる前にエンジンをチルトアップ
  5. エンジンを切って行き足でゆっくり砂浜へ乗り上げる
  6. 直ちに船首から降りて砂浜にアンカーを打つ
  7. 後ろのロープを引きボートを砂浜から少し離す

着岸時に最も気を付けたいのは、水深の浅い場所でエンジンを回した時に砂を吸水口から吸い込んでしまう事です。プロペラで砂を巻き上げてしまうほどの浅瀬に入る前にエンジンを切り、行き足を使って浜に近づきましょう。追い風の場合なら少し早めにエンジンを止めても風だけで浜に近づけますので、焦らず、落ち着いて上陸して下さい。

向かい風の場合は少し難しいですが、十分浜に辿り着く行き足で進入し、もし行き過ぎるような時には後ろのロープを引いてスピードを調整すると良いでしょう。

ビーチングの手順(離岸)

  1. 砂浜のアンカーを回収
  2. 後ろのロープを引いてボートを岸から離す
  3. 十分な水深でチルトダウン
  4. エンジン始動
  5. アンカー回収

離岸の際は大きな注意点はありませんが、一般的なアンカリングと同様、エンジン始動前にアンカーを回収してしまうと、万一エンジンがかからなかった時に危険ですので、必ずエンジンをかけてからアンカーを回収して下さい。

ビーチング中の注意点

ビーチング中は常に、潮の干満に合わせて前後のロープの長さを調整し、ボートの位置を波打ち際近くに保つ必要があります。場合によってはビーチ側のアンカーを打ち直す必要もあるかも知れません。

特に、私の住む瀬戸内海のように干満の差が大きい場所で大潮の時などは、水内際のラインは大きく変化しますので注意が必要です。

遊びに夢中になっているうちに潮が大きく引いてしまい、ボートが完全に乗り上げてしまうと次の満ち潮まで脱出できなくなってしまいますので、特に引き潮の時には注意が必要です。一方、満ち潮の時には、うっかりしてもボートが波打ち際から遠くなるだけですが、ボートまで泳いで戻らなくてはならなくなりますので、ボート位置の調整は常に行いましょう。

特に後ろ側(海側)ロープの長さに注意

ビーチング中に引き潮となる場合、潮が引くに連れて、「前のロープを伸ばし、後ろロープを縮める」という作業が必要になりますが、この時、最初に打った後ろのアンカーロープが短いと調整余地が無くなり、アンカーを打ち直す必要が出てしまいます。よって、後のアンカーは余裕を持って遠くに打っておいた方が良いです。水深にもよりますが100mほどは余裕を持ちたいものです。

終わりに

普段、ボートを走らせているだけでは見えない景色を陸側から眺め、「ボートならではの陸遊び」が出来るビーチングはプレジャーボート乗りの中でも本当に限られた人だけの特権と言えます。

ぜひマスターして楽しいボートライフを送って下さい。

この夏は写真や動画でもっと分かりやすくビーチングを説明出来るように撮影して来ますのでお楽しみに。

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